最終更新日 2024年10月24日 by taktlo
毎日遅くまで残業をしているけれど、残業代を支払ってもらえないということは意外と多くあります。
そういった時には、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
従業員が所定の終業時間を超過して働いている場合、企業には残業代を支払わなければいけない義務があります。
本来支払わなければいけないものを何らかの理由をつけて支払わないのは違法なので、請求することで支払ってもらえることも多いです。
会社との関係性が悪くなるのではないかと諦めてしまう人も多いですが、働いた分の賃金を受け取るのは労働者の当然の権利になります。
➡︎従業員から未払い残業代を請求されたら!企業側の反論方法を弁護士が解説
会社側に直接請求して支払いを求める
では、残業代を請求するには具体的にどのようにすればいいでしょうか。
まず、会社側に直接請求して支払いを求める必要があります。
いきなり訴訟を起こすのではなく、最初に残業代を支払ってほしいと意思表示することが重要です。
その際、どれだけ残業をしたのかを明確にする必要もあります。
どれだけ働いたのか曖昧だと請求する金額も決められなくなってしまうからです。
きちんと証拠がある方が、交渉が決裂して訴訟などに発展した場合にも自分の意見が通りやすくなります。
残業をした証拠になるもの
残業をした証拠になるのは、タイムカードや勤怠記録、パソコンの使用履歴などです。
タイムカードの打刻を見れば一目瞭然ですが、悪質な企業の場合にはタイムカードを打刻させてから働かせるといったこともあります。
そういった時には、別の記録を集める必要があります。
パソコンのログインやログオフの記録は、その時間に働いていたことを証明できるので、残業時間に関する証拠として認められやすいです。
パソコンを使って仕事をしているオフィスワーカーの場合、そういった記録を集めておくようにしましょう。
それから、業務に関連するメールの送信記録なども証拠になります。
その時間に業務をしていたことが分かるので、メールの履歴も証拠として提示することができます。
勤務しているビルで入退室する際にIDカード等を使用している場合には、その履歴が勤務時間を証明することにもなります。
少なくともそのビルにいたことは明らかなので、当然仕事をしていたと認められるからです。
また、自分で手帳やノートなどに細かい勤怠記録をつけていた場合にも、証拠として採用されることもあります。
客観的な証拠とは言えないように感じますが、業務内容など細かい情報を記載することで認められることもあるのです。
この場合には、正しい情報をきちんと記録しておくことが自分にとって有利に働きます。
交渉に応じてくれない場合は労働基準監督署に訴える
こういった証拠を提出しても交渉に応じてくれなかったり、残業代を支払ってもらえない時には労働基準監督署に訴えることができます。
労働基準監督署は、管轄にある企業がきちんと労働関係の法律を守っているかを監督する立場の役所です。
残業代の不払いは違法行為に該当するので、企業に対して指導や監督を行ってくれます。
指導されたことで、請求に応えてくれることも多いです。
ただし、指導に従わない企業もあるので、必ず解決できるとは限りません。
その他に残業した分の賃金を請求する方法としては、労働組合に依頼して会社と団体交渉をしてもらったり弁護士に交渉を依頼するといった方法があります。
個人で交渉すると足元をみられがちですが、労働組合が代わりに交渉することで話が進展することもあるようです。
弁護士に依頼する場合にも、客観的な第三者の目線でアドバイスをもらえます。
法律のプロが介在することで、訴訟を嫌った企業側が応じてくれるということもあります。
まとめ
それでも交渉が決裂した場合には、労働審判や訴訟を起こすといったことができます。
すでに退職してしまって証拠を集めるのが難しいという場合にも、裁判所に証拠保全の申し立てをすることも可能です。